先週北京大学の大学院時代の友人と話していて、彼は中国のIT関連国営企業のひとつ「方正集団(Founder):元々はITをベースに現在は、医薬・金融などにも進出している巨大コングロマリット:http://www.founder.com/」で幹部になっていました。もともと中国外運(シノトランス:http://www.sinotrans.co.jp/)というこれまた国営企業に就職をしたのですが、そこから一本釣りのようにヘッドハンティングされてこの方正集団に中途採用されたわけです。
いまその方正集団では、幹部養成学校の担当でグループ全社員3万人のうち、幹部候補数百人に対してトレーニングをおこなっています。うーむすごい人数ですねぇ、実際グループと言っても支配権ある子会社、孫会社、ひ孫会社だけをさしていますから、直接関連企業、直接下請企業までいれたら、数十万人はいくそうです。その中の幹部数百人に対してトレーニングというのはなかなです。彼自身の将来キャリアをきけば、いまはまだ方正集団の役員にCHRO(chief human resources officer:人的資源最高責任者、CFOやCOOなどと同列)という役職がないようで、このポストにつくことが目標のようです。その意味では、新しいポストになるようなので、若手の登用で彼は一気にそのポストにのぼるかもしれません、僕も友人としては非常に楽しみです。
もちろん、そういった彼自身のキャリアアップだけでなく、この科学的な人的管理手法は非常に発達しているなぁと感じました。人事(Personnel)ではなくて、HR(Human resources)であって、欧米から科学的な管理手法を学んだエリートたちが方正に海外から戻ってきています。そして、日本のような正社員・新卒主義などにとらわれず、かといって中国式にカスタマイズされているのでドライになりすぎず(成果主義のみで、脱落者は即解雇というようなドライになりすぎず)、バランスをうまくとりながら運営されていく、そしてそうした人材管理技術を年々高めていっているのが、よーくわかりました。
一方で、同じく日本のホンダの広州につとめる中国人の友人からの話もききました。ちょうど、いまホンダの向上で日本語通訳をやっているそうですが、その工場のうちわけは、日本人工場長と現地中国人工場長そして、通訳をはさんで、その他ローカルスタッフという構成らしいです。このときに、いつも日本人工場長と現地ローカルスタッフの間でトラブルが起きるとこの通訳が双方の怒りをうけることになり、大変な職場だということでした。こうしたいわゆる、通訳主義、通訳政治が横行してしまっていて、労働争議の火種にいつでもなっているとききます。
他国の企業が中国ではこのような状況ではないということで、これはひとえに、日本の駐在スタッフが「現地言語」を勉強する気がないということから発生しているようです。むむむ、堕ちたる日本経済帝国主義。これでは、良い時代はつづくわけはありません。
ホンダに限らず、多くの日本企業がこんな様子ですから、非常に残念ですね。製品製造技術等で先進的なのは良いです、でもこうしたマネジメント的な技術がここまで杜撰だと、中国がこれまで杜撰だったマネジメント技術を飛躍的に発展させている中で、はたして競争力はいつ逆転するのか・・・、秒読み段階に入っているのかもしれませんね。
日本の製造業の駐在員のみなさんに聞くと、みな多くが「うちの会社はいつまでたっても巨大な中小企業だから」といいます。これはつまり、「技術が高いために売上があがり、世界規模の会社に成長したが、マネジメント技術が追いついていない」、ということでしょう。本社主義・通訳主義・給料格差主義・・・、こうした植民地的な考えは、日本企業をかならずや危険な状態におとしいれます。方正集団の話をきいて、ますますその中国企業のソフト的な技術の向上を理解しました。グローバル日本企業、赤信号点灯であります。
-----------------------------------------------------------
Thank you !:この記事閲覧しましたら下記、右か左のバナーのクリックをお願いします。1日1クリック。もし可能であれば、両方のクリックがありがたいと思います。by 中川コージ
※上の2つのバナーは関連した情報ランキングへのリンクです。
クリックしていただけると、ランキングが上がりブログを見ていただける方が増えるそうです。現在2つのランキングに参加いたしております。いずれかでも構いませんのでクリックお願いいたします。
-----------------------------------------------------------
著作権等ご注意詳細はコチラ(リンク先下部参照)
-----------------------------------------------------------