まるまるとした茄子、鮮やかな赤みのトマト、ぎゅっと甘い実の詰まった玉ねぎなどなど、夏も冬も新鮮でおいしく旨みをたっぷり含んだ野菜は、脇役どころか料理の中心にもなりますね。夏野菜のカレーなんてこれからの季節、野菜の楽しさを十分に感じさせてくれますよね。
さて、日本において、中国野菜の農薬問題が近年おおく騒がれるようになりました、その一方で先日のニュースでは、リーマンショック以降の金融危機を発端とした不景気により、日本では低価格の中国野菜の輸入量が増えてきているという統計資料もでていました。
ある意味、非常に大衆的行動(センセーショナリズムにより)としてみられ、日本国民の浮き足立ったところが目立つわけですが、これはマスコミへの批判は抜きにして、俗に言う横並び主義というような、マスメディアが登場してきた以降の現代にはじまったものではない、昔からある日本の国民文化なのかもしれません。
確かに影響力が強くなったマスコミを批判するのは、既得権益への大衆的監視と敵対ですから、これはしっかりと議論がなされることが民主的でありますし、国家、国民の間にたつメディアという何か怪しげなものの、影の部分を抑え、光の部分を引き出すことにつながるでしょう。そしてそれは、マスコミそのものにとっても未来を保証します(産業的にマスコミが今後衰退していくかもしれない可能性はありますが。)。しかし、センセーショナリズムの原因がマスコミの要素だけでなく別の文化的要素の可能性もあるということを一応そばにおいておけば、下手に混乱に乗じてマスコミだけを抑圧したい「意図」を防ぐ予防線ともなることを踏まえておきたいところですね。
そんな日本国民文化やマスコミといったものから、大きく影響をうけております中国野菜の日本輸入です。これは日本側の一方的な議論です。その一方で、中国側では、日本での「中国の食品は良い悪い」という議論をよそに、中国内市場で、中国野菜が足を固めています。
そう、実は、日本で最近ブームになっている、農業ベンチャーが中国内で勢いを増しているんです。日本でも一部農業法人が認可されようになりましたが、中国でも農業公社の時代ははるか昔のものとなり、その認可が法律的なものとして(時には法律的でなくても実質として)、農業を営む有限責任法人形態が登場してきました。このあたりの中国のフットワークの軽さというか、まずは実質的にそのほうが効率がいいからやってしまおうという民間のスピード感はすごいですね。法律がなくても、まずは直感的にやってみちゃうという日本の感覚ではありえないことが、時には功を奏したりするケースですね。
そして中国の農業ベンチャーがもっとも重視しているのは、驚くなかれ「安心・安全」です。日本が「中国野菜は危険だ、危険という前提で国内農業を育成せねば。輸入に頼るべきではない。いや、安全性はそこそこであっても価格を重視すべきだ。」などと議論しているその傍らで、勢いある中国農業ベンチャーは「安心・安全」で中国内市場に旋風をまきおこしているわけです。
流石に、日本のらでぃっしゅぼーや(証券コード:JASDAQ3146:http://www.radishbo-ya.co.jp/)のように、生産だけでなく流通においても革新的な農産物関連サービスというのは、物流が発達していない中国においてはまだ社会認知された大きな企業としては、登場していませんが、「生産」段階においては勢いづいている企業がでてきているんです。
前置きが長くなりましたが、僕が注目している中国の「安心・安全」から中国内市場で快進撃を続けている企業が方園平安(FangYuanPingAn:ファンユエンピンアン:非上場:http://www.fypa.com.cn/)です。非上場なので、財務データ等が手に入らないのですが、農産物貿易会社(ひょっとしたら日本への農産物輸出だったのかな)として創業してから10年弱で、業態を変化させ現在では北京市内の外国資本のスーパーであるカルフール・ウォールマート、Lotusそして中国資本のスーパー大手各社などの果物・野菜コーナーの数十%の販売面積を方園平安が独占しています。僕がよくいくLotusなどでは、70%が方園平安のコーナーです。これはここ数年の傾向で以前は、産地や生産者(業者)特定できない果物・野菜(ノーブランド農産物)だったものが、ブランド化された果物・野菜がでてきたのは、本当に最近です。
方園平安以外にも農産物ブランドがあります(「有機農作物」だけを強みにするブランドなど)が、それらはまだブランド力、商品ラインナップ、そしてコストパフォーマンス(とうもろこし、ピーマンなどなんでも、ノーブランドの20倍以上の価格だったりします)に優れていません。その意味で、北京市内においては、方園平安がこの数年で、「研究開発期間」が熟し、また時代がそれを求め、満を持して、小売市場ですごい勢いにのっているということなのでしょう。
こうした農業ベンチャーに僕が未来を感じるのは、中国企業によくありがちだった電器製品のように外国のパクリで、多少劣等なものを安価で販売するということではなく、自社でしっかりと研究開発をおこなっていることです。中国農業科学院、北京市農林科学院、中国農業大学などと産学連携をおこない、最新技術をしっかりと研究しています。この写真なども、どうでしょう、中国の「汚い」農業という感覚は一切無いでしょう。非常にクリーンなイメージです。
また、ぬかりが無いのが、ブランド化です。農業製品を扱う場合、そのブランド化が非常に難しいわけですが、小売の段階で、かならず、ブランドロゴを表示させることにしているようです。むき出しで売っている場合でも、かならず方園平安シールが張られています。そうですね、日本でいえばバナナのDOLEをイメージしてもらえればいいでしょうか、DOLEのシールが張られていれば、それがブランドであることが認知できます(他にゴールデンキーウィのゼスプリなどでしょうか)。
これは、配送・流通センターの様子らしいですが、トラックのサイドデザインにも、統一してブランドの広告をいれていますね。うん、しっかりやっています。いい感じです。
さらに、中国で欠かせないのが政治的ファクターですね(特にCEOの個人的つながり)。日本では制度ができて、法律ができて企業がうごきますから、そのあとは、よほどの大企業で社会に多大な影響があるような事業決定でなければ、政府との交渉にそれほど、コストはかかりません。一方で、中国では、制度ができる前に、有象無象の企業が事業を始めてしまいます。その時に、競争力をもつには政治的コネクションが必要となりますが、どうもこのグループの総裁もしっかりとその辺りも固めて、全国青連委員というようなものも努め、しっかりとそのあたりもこなしています。企業としても、緑色食品という認証をうけています。
というわけで、日本があまりにも、中国農産物について旧来的な議論を繰り返している中で、中国企業が中国市場でどのような動きをしているかを今回はご紹介してみました。
産学連携・研究開発から生産段階での競争力、安心・安全を核にしたブランド展開、ブランド化の卓越した手法、政府との交渉、制度的担保の確保、そして、圧倒的な小売競争力など、ビジネスとしてぬかりない展開がみていて気持ち良いですね。
もちろん、卸価格の問題、実店舗としての小売以外での販売チャネル、現在は主に北京が中心となっている流通チャネルの地理的拡大とそれに伴う資本調達、創業者の引退による影響など、まだ国内・国際的大企業になるには、解決すべき問題をかかえていますが、「荒れた中国の農地から這い上がってきた叩き上げ企業」のイメージで、僕はなんかものすごい力強さを感じてしまいます。
方園平安もそうですが、中国農業ベンチャーが上場したときは、いい話題になりそうです。中国版デルモンテ、いやそれを凌ぐ国際企業コングロマリットになるかもしれませんね。
今日は茄子をたっぷり入れて夏野菜のカレーにしようかな!
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Question:B級グルメ和系粉部門のキングならびにクィーンを挙げるとしたら、何を思い浮かべるでしょうか、最近では海老やホタテ、松坂牛などの高級な具材が入ったものもあるそうですが、やはり決めては昔ながらの「ソース」です、さてあなたはどちらも選択できる最高の瞬間をむかえました選ぶのはどっち?
Answer-left:「食事のあとにもつるっと入ってしまうのは、面の魔力。表面積が広いからソースとの絡みではこちらに軍配だね。すんませーんソース焼きそば一人前!大盛り、キャベツ入り、肉もたっぷりで!今日は上に豪華にタマゴ焼きのっけちゃって!」の方は下の左にある「← どんっ!」バナーをクリック
Answer-right:「何を具財にいれるも百花繚乱、花鳥風月。もはやジュワッとやけた鉄板にあっつあっついいながら、コテではふはふ食べる瞬間は狂喜乱舞じゃないですか。おばちゃん、お好み焼き一人前!ソースもマヨネーズも青海苔も鰹節もがっつんとかけちゃって!」の方は下の右にある「ぽちっとな →」バナーをクリック
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