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中川コージの業界トレンド観察::今日の敵は明日のお友達

今日の敵は明日のお友達


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 近年、日本でも家庭用パソコンで使用する周辺機器のインクジェットプリンタ用のインクとして、純正品ではなくリサイクルインクと呼ばれるものが一般的に認知されるようになりましたね(海外では日本よりも早くリサイクルインクが出回っていました)。
リサイクルインクとは、大手プリンタメーカーの純正品よりも、数割程度安く販売されている、サードパーティー製の消耗品インクです。カートリッジを純正品のものを使用しその中のインクを詰め替えたものが多く出回っています。

これらのリサイクルインクが市場に出るまでは、プリンタメーカーにとって純正品インクの販売利益は、プリンタ事業の中でも中核となる利益源泉だったわけですが(つまり、原価率から言って粗利益が相当あるということになります。)、リサイクルインクの法的な正当性の判決により(確かこの件に関するいくつかの法廷闘争がありましたね)、市場には適法にリサイクルインクが出回るようになり、ついには、純正品のマーケットシェアは落ち込むという結果を生み出しました。

この一巡の事象は、プリンタメーカーにとっては、相当に手痛い状況となり、消費者にとっては、プリンタ使用のコストパフォーマンスの大幅な向上となりました。

ここで考えたいのは、この適正な規制です。

事実大手のパーソナル向けプリンタは、大手の複合電器メーカーの一事業部や直接支配子会社によって製造されています。たとえば(正式な企業名は割愛します)、CANON、EPSON、HP、LEXMARK、Brotherといったブランドは、マーケットでもお馴染みの印象があるとおもいますが、そのうちCANON、EPSON、HPは複合電器メーカー(光学機器)です。また、LEXMARKは元IBMのプリンタ事業部、そしてBrotherはちょっと特殊でミシンメーカーからの転身ですが事業利益の75%近くがプリンタ関連によるものですので、主要事業はプリンタと考えもいいでしょう。
こうした競争の中でリサイクルインクの市場浸透によりシェア構造にどのように変化があるのか興味深いところとなります。つまり、事業利益全体の一部としてのプリンタ事業を営む企業群Aと、事業利益のほとんどをプリンタ事業が貢献する企業群Bについて比較といえばわかりやすいでしょうか。
電子機器としての制御の必要なプリンタ本体についての技術革新は必ず必要なものですし、発展の余地はあると思いますが、インクそのもの(カートリッジについている小さな機器も含まずインクそれ自体です)の技術については、あまり発展がないように思われます(EPSONの「つよいんく」などもありますが、従来インクの品質のリサイクルインクとあえて「つよいんく」という純正品を選ぶコスト差をうけいれるだけの品質差が必要なシチュエーションはどれだけあるでしょうか、という問題です。)。つまり、消費者からすると、企業のマーケティング戦術を別にすれば、すでに、リサイクルインクレベルの品質で十分に家庭内で満足する品質に達しているのではないかと僕は予測します。

そうした前提にたつのであれば、消費者は、リサイクルインクが市場にあれば、リサイクルインクの価格競争力の強さに圧倒されることは当然であるといえます(現に大手プリンタメーカーも小手先のマーケティングだけでインク市場を取り返せると想定していないはずです)。今の市場はこの段階ですね。

さて、次のフェーズに移るとしましょう。つまり、プリンタ業界の抵抗にもかかわらず、市場にリサイクルインクが今よりも強く浸透することになったとします。このときに企業群Aと企業群Bはどちらが脆弱でしょうか。これは明らかに、全社利益に対するプリンタ事業依存割合の大きい企業群Bであって、さらにその企業群Bの中でも、マーケットポジションとして、「プリンタの機器としての性能」を強みにしてこなかったメーカーであるといえます。
経営学の古典としてのポーターによる分類をすれば、企業群Bのうちさらに、差別化戦略を選択しなかったメーカーがもっとも厳しいポジションにたたされることになるでしょうね。
(と、ここまでのお話は、当たり前すぎてあまり面白くない議論ですね。企業も当然ここまでは簡単に分析しているでしょうから、それを打開できないのは、別の理由があるというだけの話です。戦略としてはこの次の未来を描くのが面白い作業といえます。)



僕がここで面白いアイディアを考えるならば、Alliance(Joint Ventureなども含む)の議論が出ると思います。新興のリサイクルインクメーカーでのインク市場での強みは圧倒的ですから、純正インクメーカーはある程度まとまりがでてきたところで(強いリサイクルインクメーカーが判明してきたところで)そこと提携してしまうという手法があるのではないかと思います。そして、消費者に対しては、高級ラインナップの純正品と、低価格ラインナップのリサイクルインクを選択できるように、販売チャネルを統合化してしまい、純正メーカー対リサイクルインクメーカーの市場構造を、価格レンジのある協調ブランド連合対その他という市場構造にもっていってしまうという戦術もあるのではないでしょうか。もちろん、このAllianceには、equity basedか non-equity basedのどちらでもいいとは思いますが、いずれにしても、市場のゲームのルールを変化させる、ちょうど面白い時期にきていると僕は考えます。
イニシアチブをとるのは、どのメーカー(新グループ)か。非常に興味深い構造になってきましたね。ふふふ。



今日は、プリンタの調子がわるかったので、そんなことを考えながらクリーニングの作業をしています。

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