先日、中国にてタワー型でパソコンを自作しました。
僕は、パソコンを新規購入する場合、日本ですと細やかなカスタマイズがインターネット専売店舗でもできる上に、配送も速やか、ネット決済も安心ということで、インターネットで注文します、そしてそれが届き次第、すこしカスタマイズするということにしています。これですと、初期不具合からの時間損失も避けられますし、総額では同程度性能の機種をゼロから自作するよりも安かったりします(10年以上前は、完全自作のほうが安かったのですけれどもね)。
小売店(自由市場)で細かくパーツをみるとその多くが日本でも知られたメーカーです。たとえばマザーボードでは、ASUS(華碩計算機股份有限公司:証券コード:2357,tw:http://www.asus.com/)やGIGABYTE(技嘉科技股份有限公司:証券コード:2376,tw:http://www.gigabyte.tw/)等の日本でも最もポピュラーな台湾系のメーカーですね。パソコンを自作されない方には馴染みの無い消費者ブランドとおもいますが、日本の電器大手ブランドのパソコンも中のマザーボードとよばれる、中心となるパーツにはこの2社の製品が使われていることがほとんどです。CPUも米国系のAMD(Advanced Micro Devices Inc.:証券コード:AMD:http://www.amd.com/)とIntel (INTL ELECTRONICS:証券コード: IEIB:http://www.intel.com/)ですし、パーツではありませんがOSについてはもはや言わずもがなですね。
このように、パソコンのパーツ(とOS)は世界的に寡占状態であり、また技術集約的な製品製造のため参入障壁が高い業界ということができます。
さて、こうした業界ですが、先日パソコンの自作のために自由市場をあるっていて、いろいろと面白い事実をみつけました。このブログでも以前に紹介した大中電器、国美電器、蘇寧電器などのような、大手小売が販売しているASUS、Acer、DELL、方正集団(方正科技集団股份有限公司:証券コード:sh600601:http://www.foundertech.com/)のようなブランドの完成型パソコンでなければ、多くの小売自由市場で入手できるパソコンはほとんどが自作のものとなります。そして自由市場で使用されるマザーボードのシェアが国際的なシェアと違って、中国国内メーカーの占める割合が非常に大きいとうのが興味深いものでした。
たとえば、自由市場シェアが高いマザーボードがONDA(広州昴達電子:非上場:http://www.onda.cn/)というブランドです。とにかくシェアが高いです。これも面白い現象で、自由市場の小さいお店が店頭でディスプレイしているのは、ASUSやGIGABYTEのものなのですが、実際にパーツとして注文すると出てくるのはONDA製なのです。確かにコストパフォーマンスも高く、僕が使用している限りそれほど大きな問題は無いように思われます(実は、最初はまた偽モノをツカマサレタカ!と思ったのですが)。
それ以外にも、多くの中国国内マザーボードメーカーがシェアの多くを占めているようです。この現象は、おそらく他国のように自国内でマザーボードを生産する技術をもたない国では生産は難しいでしょうし、かといって、日本のように技術はあってもコストの問題で価格競争力をもつことができない国(台湾メーカー製を輸入したほうがコストパフォーマンスが高い)でも生産が難しいでしょうから、中国特有の現象といえるかもしれませんね。
ちなみに、ONDAですが、1989年に創業していますから、GIGABYTEの1986年創業から遅れること3年だけということになります。32の配送センター、16のテクノロジーサービスセンター(なんでしょうか?)、24時間アフターサービスなどということがホームページに記載されていました。
最初は国家による海外製品に対する保護貿易から、国内技術力(生産力)のついたところで世界に進出という戦略は、産業育成において一般セオリーですが、中国では多くの産業で「そろそろ世界進出しようか」という戦略に変わっているはずです(「引進来」から「走出去」へ)。この中国内のマザーボードメーカーの今後の発展は注目しておくと面白いかもしれませんね。
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