
OISHIやOishiという名前でわかりにくくなっていますが、ともかく、タイでの成功例ほど中国ではここまで事業的に成功した大企業としての日本食ブランドを展開する企業はまだみられません。ここで、ひとつ僕が注目している企業をご紹介しておきます。しゃぶしゃぶ屋さんです。
呷哺呷哺(XiabuXiabu:しゃぶしゃぶ:呷哺呷哺餐飲管理有限公司:非上場:http://www.xiabu.com/)は1998年に台湾資本により北京にて創業し、2009年には100店舗を超えるチェーン展開をしています。店内設計はちょうど日本の牛丼やや回転寿司のようにカウンター席になっており、ひとつひとつの席の前に小さい鍋がのります、そしてこの鍋でひとりしゃぶしゃぶを楽しむという、しゃぶしゃぶファーストフードともいえるようなスタイルです。価格設定もファーストフードの水準かなと思います。
会社のホームページ上では、このひとりしゃぶしゃぶスタイルは日本で流行っている云々が書かれていますが、これは「虚偽」ないしは「誇張」ですよね。このあたりは、模倣文化である市場ではよくあることですから、批判されるものではなく、そのような市場であると理解しておきましょう(もし、このような虚偽や誇張をしなくては、却って市場競争力が弱まるので、ひとつの個別企業としては合理的意思決定です。もちろん、市場全体としてその模倣の蔓延した状況が是正されなければ、長期的にイノベーションがおこりにくく他の「健全な」市場との競争において弱体であることはありますが、それはひとつの企業がコントロールできる話ではありません。)。
実際にはかなり日本食としてのしゃぶしゃぶとは異なり、現地のローカル料理である「火鍋」をベースにしているのですが、「日本的」という意義をこめて店舗展開し日本的であることでブランド価値をあげる意図がみられます。また、ブランドというものをかなり意識していて、他の中国資本の「火鍋」チェーン店と異なり、ロゴのデザイン、概観、内装等すべてのチェーンで統一感があります。
そのほかにも、台湾資本(ほとんどが個人創業です)のファーストフードチェーン店は、ほとんど同時期に中国大陸で創業しているのが興味深いですね。豆乳食品ファーストフードの永和大王(YongheDawan:ヨンフーダーワン:永和集団:快楽蜂集団の資本傘下:非上場:http://www.yonghe.com.cn/)は1995年上海で創業、現在は中国全土に154店舗を展開しています。ちなみに永和のオーナーシップを有する快楽蜂集団(Jollibee:未上場:http://www.jollibee.com.ph/)は、フィリピン資本で1975年創業らしいです。
真功夫(ZhenGongfu:ジェンゴンフ:KUNGFU Catering Management Co.LTD:非上場:http://www.zkungfu.com/)も1994年に創業し現在は300店舗をかかえる、ラーメン、中華蒸しパン等のファーストフード店です。
それぞれ成功しているところは、やはりこの数年でブランド管理がしっかりしてきているところと思います。まだ業界がおおきく編成されるほど、各個別企業の資本提携はみられませんが、いずれグループやアライアンス化、ないしはブランドはそのままに、経営合理化のため吸収合併などがおこなわれるようになるかもしれません。まだまだ呷哺呷哺も、永和大王も、真功夫も実際に店舗に足を運んでみれば、作業工程上非合理性の問題が多く見られますから、改善の余地がありますが、模倣文化と揶揄される中国大陸において、ブランド化に成功していることは、ひとつの面白い業界事例になるでしょう。すべてが中華圏マネーで動いているのも面白いかもしれませんね。
最後に、味についてですが、日本人からすれば、「うーーん」という程度です。これは、妥当なレベルであると思います。というのも、ハンバーガーのようなグローバルフードではなく、現地ソウルフードのファーストフードですから、外国人の僕にとってはそんなものなのだろうということは当然であるからです。たとえば、そうですね、日本のソウルフードはかなり少ないのですが、うどん、そば、おにぎり、ラーメン、カレーをソウルフードとするのであれば、山田うどん、CoCo壱番カレー、王将などなどが思い浮かびますね。日本人の平均味覚レベルは国際的に高いといわれるのが真実であるとするのであれば、これらに慣れ親しまない日本人以外の方が食べたら、ある程度はおいしいと思う方もいると思いますが、日本人が感じるそれよりもおいしいと感じる外国人は少ないでしょう(細かく考察したいですが、これくらいにしておきましょう)。
日本食の中国での流行をお伝えしようと思いましたが、結果的には、個人経営でなくより統一感のある企業実態にならない日本食屋は多いというお話になってしまいました。そして内容としては、「日本的」であるという、高級感、安心感などをブランドにとりいれた企業展開をお伝えするかたちになりました。
経済活動として、「外国人」が現地の方の感覚を体験できないものであるだけに、ローカルファーストフードの業界をチェックするのは面白いですね、特に中国のようなローカルであってもその人口規模だけで言えばローカルとは呼べない発展性をもっている国においては、ますます注目の対象となりますね。
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Question:僕の手元にいまあります。果たしてどちらを選ぶべきか。
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