Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/1/cranky.jp-maze/web/blog/class/View.php on line 25

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/1/cranky.jp-maze/web/blog/class/View.php on line 30

Warning: Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/1/cranky.jp-maze/web/blog/class/View.php:25) in /home/users/1/cranky.jp-maze/web/blog/class/View.php on line 81
中川コージの業界トレンド観察::腐れ茶

腐れ茶


1.gif

 このブログで、中国のお土産として、「お茶」は農薬含有、残留農薬の問題から避けられがちだと書きました。
さて、その延長線上、ダメの上塗りということではないのですが、非常に経営を観察する立場として、ほってはおけないので、ご紹介したい企業があります。
 もちろん、ここで問題点をご紹介するのは、この企業が悪いから「買うべきではない」というものでは決してなく、当該企業には、その点を踏まえて、着実に問題点を改善して、より業績を伸ばして欲しいわけですし、消費者の観点からすれば、今は問題のある企業であっても、経営改善がなされればよりよい市場が形成されるので、全体として社会便益になるわけです。こうした、前提の上に、問題点を指摘させていただきたいと思います。

 これは現在の当該企業の問題であって、未来の姿ではありません。ですから消費者としては暖かく見守ってあげたいと思っています。



ということで、今回ご紹介するのは、中国大陸の天福茗茶(Tianfumingcha:ティエンフーミンチャー:非上場:天福集団:http://www.tenfu.com/)です。この会社のCEO(総裁)とその一族は、天福投資股份有限責任公司というホールディングカンパニーを通じて天福茗茶と台湾の天仁茗茶(Tianrenmingcha:ティエンレンミンチャー:証券コード:tw1233:http://www.tenren.com.tw/)を支配しています。歴史的には、天仁茗茶が先に1953年に設立されています。台湾天仁茗茶は上場をしていますが、創業者・同族支配の会社といっていいでしょう。創業者一家が現在でも力をもっているパターンですね。ただホールディング会社を経由したり多少入り組んだ方法をとっているので、外部者が入手可能なデータの範囲では、実際に中がどういった支配構造になっているのかは見えません。一応下記に2008年度の台湾天仁茗茶の財務諸表内に記載された株主名簿を掲載します。


2CapD20090611.jpeg

 創業者支配の会社が総じて問題であるというわけではないので、これについては、「グレー」ということにしておいて、今回の問題ではありません。



 ホームページのクオリティーはその会社の姿勢をしめすとこのブログで書いたことがありました。これは、消費者向けのマーケティングとして、ロイヤルティ向上のため、ブランド確立のためでもありますし、投資家向けのファイナンスとしても重要でありますから、PR、IRとして多くの企業が「当然のこととして」美麗なサイトを用意しています。そしてその更新性が卓越していれば、PR,IR力にすぐれ、企業全体として、「細かいところまで行き届いている」ということがいえるのかもしれません。

 さてまずは、その観点からして、天福は劣等です。日本でいったら上場企業(注目するのは大陸の天福ですが、天福も台湾の天仁も資本も事業体制も一致しているととらえます。)とは思えないクオリティーですね。トップページを開きますと、Flashが重い、スキップができない、画像がださい。です。それから、メインページにいけば、業者使いまわしのテンプレートだらけです。中国の安価なホームページ制作会社が作ったか、自社内で安価なホームページテンプレートを使って作ったのではないかと思わせる雰囲気がただよっています。 中国のホームページ制作会社も「ぴんきり」ですが、一切デザインという概念がなく、テンプレートコピーによりオリジナリティのかけらもないものをつくる会社が非常に多く見られます。


3CapD20090611_1.jpeg


 また、見ていて嫌悪感を覚える美しくない広告や、押し売りのようなスクリプトのからくりを組み合わせてあり、PRの意義自体が天福には理解できてないのだと認識されます。
天仁のほうには、日本語のページもありますが、まったくもって文法があっていません。上場会社がたったこれだけの文章量の日本語を翻訳する資本がないとは到底思えませんから、PRを軽視していると思わざるを得ません。
http://www.tenren.com.tw/jcontent_1024/about.asp
こういったページを設けるくらいであれば、はるかに日本語ページを公開しないほうが、ブランドを維持できるのは当然のことと思われます。年度財務諸表のPDFが電子版でなく紙版をスキャンしたものであったり、ほかに挙げればきりがありませんが、全体として言えることは、ホームページが悪いということではなくて(ホームページを公開しないという選択肢もあるので)、PRとIRを軽視しているという実態です。


続いて、会社概要に総裁個人の経歴がでてきます。確かにその歴史を語ることは重要ですが、それは、会社の歴史ではないところまで公開する必要はありませんし、別段で創業者の項目は設ければよいと思われます。これは、企業内文化として、またオーナーシップからも示しているように、企業内文化として行き過ぎた「創業者崇拝」があるように伺えます。これはKnowledge Perception(経営ノウハウの受容・吸収できる会社の能力)の観点からみて、その会社能力の阻害要因となっているのではないでしょうか。

さて、こうした電子上の情報の劣等性を欠きましたが、事業実態はどうでしょうか。まず、中国全土に911店舗(チェーン)あり、カナダに1店舗(このたった1店舗という数値を大々的に広告することにもまた疑念を生じさせます)あるそうです。また、生産基地、卸、小売店舗も持っていますから、ハードウェア的にはブランドを十分に確立できる企業能力をもっています。さらにプラスなのは、お茶に関する博物館、中国茶道教室、関連食品工場も持っており、多くのチャネルからブランドを強化させることができるでしょう。
しかし、経営管理がズサンもいいところで、僕が実店舗をみるかぎり、どこも、いつでも閑古鳥が鳴いています。実際には立地や照明、価格設定、マクロ的需要等多くの要因があると思いますが、消費者的な視点のみで語るとするのであれば、店頭で無理に顧客にお茶を試飲させようとする店員がいるので、これが顧客が店内に入るハードルを高くしています。中国の企業(以前の日本の企業もそうですが)は、不要なほど顧客への売り込みが激しすぎます、「押し売り」の状態をひきおこしています。僕は「中国茶」に関してはそれほど造詣が深くありませんので、茶葉の品質やその味、香り、そして適正な価格というのは、正確な情報をもっていないと思います。それでも僕は一般的に「お茶」が好きな消費者ですから、そして何でも興味をもって、嗅ぎまわってしまうような(笑)性格ですから、その僕の興味を引かせないほどのマーケティングというのは、かなりレベルが低いのではないかと、消費者として感じるところです。


創業から半世紀という老舗であり、ファイナンスによるキャッシュの確保に成功し、中国の伝統文化に根ざした財を扱い、ハードウェアとして上流から下流まで自社で資産を所有し、ブランドを確立するための多様なチャネルを抱え、中国全土にチェーン展開を達成している企業でありながら、
血縁的一族による企業支配という体制をもち、過度な創業者崇拝をおこない、PR、IRという最重要な社外とのコミュニケーションを軽視し、人員管理に競争劣位であり、多くのブランドに寄与する資産を使っていると思えない経営体質であるという企業ケースです。

 僕は直感的に、すべては創業者崇拝の企業文化的問題が根源と見ましたが、これは組織戦略学上の企業のInertial force(慣性の力)を打破できないことに他なりません。今回は、今まで中国企業の問題として語ってきた研究開発投資が低いという問題ではなく、慣性力の問題について書きました。中国の企業だけではなく、日本の中小企業、大企業でさえもこの問題は現在でもよくみられます、この改善には、現経営者がいかにその体質を変化させるかということにかかってきます。

 企業として資源枯渇を迎える前に、中国茶を僕が好きで好きでたまらないくらい虜にしてくれるような、卓越したマーケティングのできるブランドに天福が成熟してくれることを期待します。


 というわけで、今日はリプトンのジャスミンチャを飲むことにしますかね。ふ~。



-----------------------------------------------------------



Question:秋葉原からはカンヅメとして発売され、コンビニでは24時間手軽に購入できるようになった日本のソウルフードおでんですが、先日おでん党総裁選がおこなわれるということで、二者が立候補しました、あなたならどっちに投票する?

Answer-left:「たんぱく質、脂質など栄養価満点、白身の淡い味、黄身と汁が溶け合うドラマ、パーフェクトな指導力でおでん党を引っ張っていけるリーダーはこのタマゴしかないでしょう!」の方は下の左にある「← どんっ!」バナーをクリック

Answer-right:「中までじわっと染みるうまみ汁のかたまり、夜食に食べてもカロリー僅か、ダイエッターの人気もとれる、脇役と思いきや調整型のリーダーとしての実力抜群!ここは大根に一票いれます。」の方は下の右にある「ぽちっとな →」バナーをクリック

人気ブログランキングへにほんブログ村 経営ブログへ

人気ブログランキングへにほんブログ村 経営ブログへ
DOCCHI???? さて、あなたのアンサーはドッチ?? ????DOCCHI


※上の2つのバナーは関連した情報ランキングへのリンクです。
クリックしていただけると、ランキングが上がりブログを見ていただける方が増えるそうです。現在2つのランキングに参加いたしております。いずれかでも構いませんのでクリックお願いいたします。

-----------------------------------------------------------
著作権等ご注意詳細はコチラ(リンク先下部参照)
-----------------------------------------------------------
Calendar
<< April 2024 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
search this site.
tags
archives
recent comment
others
admin