
ジュネーブ国際音楽コンクールピアノ部門で、日本人初優勝の萩原麻未さん、まずは本当におめでとうございます。
先日にノーベル賞受賞についてのコメンタリーを僕がこのブログ(http://kozi.jp/blog/?eid=192)で書きましたが、日本の教育システム、諸活動への評価システム、そしてこれを国益につなげるシステムの脆弱さが今回も感じられました。とりわけ今回は、この最後のシステム問題を考えました(国益へのブリッジシステム)。
萩原さんは広島の高校卒業後、パリの高等教育機関でピアノの技術を向上させていかれたそうですね。萩原さんは紛れもなく本質的に才能をもち、さらにそれを開花する環境を自分で開拓していったという背景があるでしょう。そして、それは、日本で教育をうけることができないレベルであったということがあります。これは、決して僕も否定的ではなく、ピアノという楽器の歴史的な発祥、そしてピアノ技術という西洋音楽で蓄積されたノウハウは、日本が「教育的に」重視をしても、そこにキャッチアップするのは、困難でありますから、日本がここに多くの投資を向け、世界のナンバーワンの「ピアノ教育」がうけられる構造を作る必要はないと思います(ピアノ教育が必要ないということではなく、国際的に最良のピアノ教育が日本は当該分野で基礎のリソースが劣位なので投資コストパフォーマンスの観点から必要ないということ。)。
この「世界最高のピアノ教育」を日本で受けることができないのはむしろ妥当でありまして、そうではなくて僕が問題意識をもつのは、せっかく、日本国籍としてこうしたピアノの芸術的才能をもった方が誕生したときに、これを日本という「国がいかに活用していくか」という、システムがないことです。ある意味それは、社会と萩原さんというタレントとの、契約関係が存在しないということになります。国からすれば、こうした卓越した芸術的才能をいかに、国益に還元していくかという、ある意味で獰猛さが欠けているわけですね。
ところで、産業・ビジネスの世界においては、開花した芸術の才能を、「興業的」に利用しようとする獰猛さがあるわけです。そして、ビジネスではこれを上手く「世俗的な貨幣価値」に見えないような工夫のノウハウも多く持っています。これは日本人的な感覚からすれば「芸術という崇高なものに、ビジネスを絡めるなんて!」「卑しい!」という意見がすくなからず出てきそうなものだと思いますが、決してそういったことではなく、社会に還元される才能の道をつくるという意味で、僕は適した手法だと思っています。
これと同様に、国家というものが公益的に、芸術の才能を「利用する」ということも、決して「卑しい」考え方ではないと思っています。ビジネスの世界では、「芸術才能が貨幣価値に還元されることが是」となりますが、政策・政治の世界では「芸術才能が公益価値に還元されることが是」となるでしょう。では、「公益価値とは何か」という議論があまりなされていないわけです。そして、この議論の無さの要因は「芸術才能を利用すること」へのタブー意識であると思います。
もし政治・政策・国が、ビジネスの世界と同様に、この芸術才能を貪欲に利用するという意識があれば、そしてその貪欲さをオブラートにつつむ技術を持っていれば、結果的に、こうした芸術振興によって、また新たな才能を持った日本人がでてくるようになることが十分に可能性があるわけです。ですから、「国が才能を利用すること」に踏み込まないことのほうが、むしろ、僕は将来の芸術家の目を潰していることになると思います(=機会損失が発生していると思います)。
よって、これから、ビジネスの世界を通じて、萩原さんには多くのオファーがあると思いますが、政策・政治の世界を通じて、セレモニー的な表彰をするなど、萩原さんに徹底的な「社会投資」をしてみるというのが、僕は利用する「卑しさ」ではなく、最適な「貪欲さ」だと思います(利用するということは、利用する側、利用される側がともにメリットのある契約関係ということになります)。
それにしても、本当に、萩原さんのような方が、日本からどんどん出てくれたらほんっとうにうれしいなぁと思います。まさに『のだめカンタービレ』の「のだめちゃん」です!社会政策上の問題意識は上で、いろいろ書いていますが、僕個人の感情としては率直に、本当になんか感動した受賞でした。萩原さんおめでとう!!ありがとう!!!
-----------------------------------------------------------

Thank you !:この記事閲覧しましたら下記、右か左のバナーのクリックをお願いします。1日1クリック。もし可能であれば、両方のクリックがありがたいと思います。by 中川コージ


※上の2つのバナーは関連した情報ランキングへのリンクです。
クリックしていただけると、ランキングが上がりブログを見ていただける方が増えるそうです。現在2つのランキングに参加いたしております。いずれかでも構いませんのでクリックお願いいたします。
-----------------------------------------------------------
著作権等ご注意詳細はコチラ(リンク先下部参照)
-----------------------------------------------------------
