数日前から、中国内での「対日抗議」を意義とした「デモ」が多発しています。
さて、5年前、北京・上海といった大都市を中心にした対日暴動が事件となりました。当時も僕は北京におりましたが、共産党の関係にかかわらず多くの中国籍の知人たちが「デモ」「半日抗議騒動」に参加していました。※暴徒として暴動に加わったわけではありません。
そして、多くの日本人の知人たちがその「デモ」を物見遊山に見物しに行ったものでした。大使館広報からのソースをもとにした報道では、「デモは危険なものであるから近づかないように」というものでしたが、実際には、そうした危険なものではなく、ある種の「中国という国家としての主張」をしたい中国公民があつまったものも多く、すべての「デモ」が危険なものではなかったことも事実です。
僕なりに当時のデモの類別をすれば、「A、中国公民として自らが主張をしたために発足したデモ」、「B、中国共産党の一部熱狂的な公民が、共産党の意見とは別に行動したために発足したデモ」、「C、中国共産党が裏で操作したことによる、見かけ上は公民主体のデモ」そして「D、その他組織による扇動で、その他組織が裏で操作したことによる、見かけ上は公民主体のデモ」でした。日本国内の世論では、圧倒的に「A」や「C」であるという論調が強かったですが、実際に僕が数十人のデモ関係者に調査(緩い定性調査)したところから判断すると、上海では「D」が圧倒的でついで「A」、北京では「A」と「B」が半々といったところでした。
もしかすると、このブログを御覧のみなさんにも、誤解があるといけませんから、少し前提条件を解説しておきます。「中国共産党は、デモを望んでいません。」これは、国家が外交として使いたいカードとして「デモの扇動」もあるわけですが、いまの中国共産党は、歴史教育から醸成されてしまった「事実」と、外交として使いたい「事実」のバランスに憂慮しています。ですから、決して、中国公民が過去の共産党歴史教育からの「事実」でコントロール外で感情的になってほしくないわけです。勿論、公民の中でもインテリ層は、その両方の事実を熟知していますから、極めて客観的に、合理的に動く主体ですが、ある種のデマゴーグによって、そうではない類の公民が扇動されてしまうという事実があります。
2番目の前提条件は「中国共産党は、この上述のコントロール外デマゴーグを弾圧することができない。」ということです。以前の中国政府であれば、その思想主義によって、こうしたデマゴーグをいとも簡単に弾圧することがあったことは、日本のみなさんにも周知の事実と思います。しかしながら、現在はそうしたある意味「社会主義的統制力」を、旧来のように政府がもっているわけではありません(※もちろん、他国と比べれば強い統制力をもっているわけですが。)。その理由は、外圧という国際協調、名目上の人道主義ということが1点目の要素で、自らの共産党がつくりあげてきた歴史教育と真実とのある程度のロジカル的ギャップを認めざるを得ないということが2点目の要素で、そして、台頭した経済的主体としての公民のパワーをおさえつけることは困難であるという3点目の要素です。
このように、中国政府(≒中国共産党中央)は、「デモを発生させたくない」「デモを弾圧できない」という前提条件の中で、当時の「デモ」をむかえました。
さて、ここからが本題です。では、あれだけの規模のデモが当時にどうしておこったのか。実は、上記で説明した「D」の部分がおおきなヒントでした。中国公民でもない、また中国政府、中国共産党中央でもない、「何かのヒエラルキー」によって扇動されたことが事実としてありました。あえて、ブログという性質上、詳細を挙げませんが中国でもない、日本でもない、どこかのヒエラルキーで、中国政府のおひざもとの北京よりも政治的コントロールが効きにくい上海で多発した、そして経済発展が北京よりも相対的に発展している上海で激化した・・・等々を考え、さらに調査をふくめれば、「どこの国が日本に対抗軸として検討されるか」が導出されると思います。そして、当時のデモは、その扇動があったのでした(と、今回はこれくらいに伏せておきましょう)。
では、今回2010年のこの「デモ」「半日抗議騒動」は、「何なのか・・・」また調査してみると面白いことがわかるかもしれません。世界の「裏版図」は前回の当時と変化しているでしょうか。
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