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中川コージの業界トレンド観察::Transaction Based View of CHA(取引ベース分析視角からの茶)

Transaction Based View of CHA(取引ベース分析視角からの茶)

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 この数カ月、少しずつお茶について、消費者としての「茶の楽しみ方」また、研究テーマとしての「茶関連産業」について調べを進めてきました。楽しみ方について書かれた本や文章など非常に多くありますが、これらの中で系統だって語られているものは少ないですね。また、茶関連産業については、ほとんど専門で書かれたものはありませんでしたが、これについては、僕の経営戦略としての専門でありますから、面白い多様な角度から分析が自分で完結できたと思います。

 よって、この2つの視点、消費者的視点と学術・ビジネス的視点から見た場合、前者については多少僕の解釈、分析が誤っている可能性がありますので、これからさらに正当性をチェックしていきます。いずれにしましても、この2つの視点を同じ「盤面」としてとらえた研究は皆無でしたので、僕がここで今までの調査の成果を、自分の進捗状況チェックという意味も含めてベータ版として公開しておきます。

 下記にFigureとしてまとめておきました。

figure02.jpg



 主に「茶の楽しみ方」などの消費者視点での調査から演繹した茶の分類と、産業構造、市場構造といった学術・ビジネス視点での調査から分析した茶の価値という2つで系統だてています。茶の分類として2要素を仮定しました。それは図で言えば上のほうにあたりますが、Inputとしての「茶原材料」とProcessとしての「最終製品茶加工」です。これらのマトリクス図によって、ほとんどの、「お茶」とよばれるものは分類できると思います。例えば、スーパーで売られているほうじ茶があるとすれば、緑茶を焙煎した加工製品でありますから、縦列「1」の系統に属します。そして、ほうじ茶は一般的にフレーバーをつけられたり、別の果実とまざっていません、茶の原材料も緑茶のみであって、他の紅茶や白茶、ハーブなどもまざっていませんから、茶原材料のブレンドは無しです、産地や収穫時期は商品によって異なるでしょうから、1A、1B、1Cのいずれかになると思います。一般的に、1A>1B>1Cの順で高級品となります。もう一つ例をあげると、喫茶店でだされるマンゴーティーがあるとします、これは、完全発酵の紅茶にあたりますから縦列「3」の系統です。マンゴーのフレーバーがついていますから、フレーバーは有りです、そして、一般的に茶原材料は紅茶ともしかするとハーブなども添加されているかもしれません。ハーブなどが添加されていれば、3Hとなります。また、マンゴーフレーバーティーではあまり単一時期、単一産地ということも少ないですので、3Gあたりが妥当でしょうか。そうすると、3Gか3Hがこのマンゴーティーとなります。さらにもう一つ高級茶の部類で例をあげると、インドのダージリンなどが有名な産地ですが、このダージリンの中で、さらに細かい産地があります、ナムリングという茶園のダージリンがあったとします、そしてナムリングの中で、収穫時期によって春摘み(First Flush)、夏摘み(Second Flush)、モンスーン摘み、秋摘みなどがあります。そうしますと、紅茶で、フレーバーが無く、茶原材料のブレンドが無く、単一産地、単一時期の収穫というものがあります。これは3Aになりますが、非常に種類が多く世界に存在します。
※黒茶はプーアル茶など、青茶はウーロン茶、鉄観音茶などが代表的です。
 また、別の観点として、上図でいうところの、下の部分にマーケットから見たお茶の「価値」を表しました。実は、消費者的視点から、茶葉の等級を「茶原材料」にふくめている「概念」が多いのですが、僕の分析視点として判明していることは、例え高級茶であっても、その市場魅力度(市場価格に多いに反映)は、ブランド力であったり、パッケージングであったり、加工技術であったり、流通チャネル間でのバーゲニングパワーによるところが大きいということです。つまり、中程度の等級のある農園、ある時期の茶葉であっても、同じ農園、同じ時期のより高級な茶葉を比較した場合、ブランドAの当該「中程度」茶葉の価格のほうがブランドBの当該「高級」茶葉の価格よりも、高くなってしまうことがよくあるわけです。ですから、茶葉の等級という概念(オレンジペコーとか、ブロークンとかそういった分類です)は、「茶原材料」に含めず、「市場取引魅力度」としてまとめました。

 全部をまとめると、例えば、英国Harrods(ハロッズ百貨店)の高級でない一般ラインナップのティーバッグのフレーバード緑茶があまり有名でないOEMで生産されているとしたら、そのOEM受託メーカーからHarrodsへの取引の時点での、お茶取引は「dδ」で、Harrodsから消費者への取引は「eβ」です。お茶そのものは、「1G」のマトリクス部に該当するならば、この2つの流通過程での、お茶取引は、「1G×dδ」→「1G×eβ」となります。もっと上流にさかのぼって、そのOEM受託メーカーは3つの緑茶茶園から加工されてないお茶「1A」「1A」「1B」を取引購入していたとすると、その取引はすべて「bδ」として、「(1A×bδ)+(1A×bδ)+(1B×bδ)」の取引をしたことになります。ですから、茶園からHarrodsの最終消費者取引までふくめると「(1A×bδ)+(1A×bδ)+(1B×bδ)」→「1G×dδ」→「1G×eβ」ということになるでしょうか。


 このようにして、いくつかの変数を3つの大別要素にまとめましたが、さらに細かい要素も、これらの3つのどこかに配置していけば、適正な分析ができると思います。
 多少、自画自賛的になりますが、この分析視角の興味深い示唆は、「お茶」というものが「茶という植物・原料」としてだけ価値を捉えられているのではなくて、あくまでも「商品(Commercial Commodity)」として捉えられているというところです。生産から流通、そして消費者の手に渡るまでをすべて含めて、それぞれの「取引」の時点で「お茶という商品」となっている点です。
 お茶に等級があるのも、それは買い手がそれを欲するからであって、生産量が少ない部分で、買い手が多い、おいしいと思う人が多いから価値が高いわけですね。決して勝手に自生しているお茶のある部分が生産が少なくても、買う人がいなければ、世界でどれだけ稀少性があっても、「商品」としての価値はないわけです。その意味で、この僕の「取引ベースの分析視角」というのは、そのお茶を商品として捉えて価値を判断するということで、興味深いのではないかと思います。高級ブランドが、綺麗な陶器の容器にいれて、50グラムだけうっているお茶と、手間をかけずに大量に自生している茶樹から作られた、ビニール袋入りのお茶だとすると、実は後者のほうが稀少性が高く、本当においしいお茶だとしても、その市場価値の差異は明らかです。
 お茶は、食品であって、嗜好品です。ですから、この「ティータイムとしての雰囲気」というものを、モノの価値要素として捉えた分析というのは重要だと思います。



 今回、とりあえず、他の文献などには無い、いまのところの僕の分析のまとめでした。下記は、いまのところ判明している「修正検討箇所」「アップデート検討箇所」です。
---------- Discussion (begin) ----------
※モデル発展への議論1:ルイボスやハーブなどを詳細にわけるか、もしくはこれらはお茶とみなさずに表から落とすかの検討が必要。ただし、ルイボスティーやハーブティーなども、ティーという言葉がつかわれるように小売ブランドの啓蒙もあり、消費者の間では「お茶:Tea」であるという認識があることから、この表では一応に挿入してあります。
※モデル発展への議論2:茶原材料としての加工とフレーバードティーとしての加工の境界線曖昧性の改善が必要。この表では、燻製などの加工は、フレーバーとして扱わずに、そのまま茶原料としての扱いにしているのですが、これは「燻製香」というものを意図的につけているわけで、フレーバードとしての加工ともいえるので、難しい境界線です。このバージョンの表では、香料のような「別物質」の添加をもってフレーバードとしています。だから、乾燥したり、焙煎したり、燻製したりというものは、茶原料そのものの変質を目的とした加工なので、これは茶原料として扱っています。
※モデル発展への議論3:フレーバードについて、香料などの茶葉への着香加工と、果実のミックスという茶葉への直接の着香をしないブレンド加工を分割してもいいかもしれません。
※モデル発展への議論4:横段「*E」段にあたるところは、ほとんどないかもしれないので、削ってもいいかもしれません。フレーバードにする場合、ストレートでその微妙な差異を楽しむ「単一収穫時期」ということは、あまりないかもしれないので、この段に該当するお茶は少ないような気がします。
※モデル発展への議論5:製品茶加工される段階は、上記の表であげたものよりも多く存在するので、これを拡充するか、もしくは別の観点から、より少ない段階にまとめてもいいかもしれないです。例えば、売り方を一定にするとか、買い方を一定にするとかという方法で。
※モデル発展への議論6:「販売者の商業的ブランド力」、「原材料の等級」、「加工技術の品質」などをdummy variable (=0 or 1) でカテゴリカルにしてしまいましたが、これをnumeral var.にしてもいいかもしれません。別のマーケティングに関する論文などからリファレンスするとアップデートされるような気がします。α、β、γ、δのようなカテゴリカルではなく、0.000~1.000のようなニューメラルとしていきます。
※モデル発展への議論7:TransactionのTime (0)での静的な変数として、「販売者の商業的ブランド力」、「原材料の等級」、「加工技術の品質」をとらえましたが、これを動的な Time (t)もいれていくとよりLongitudinalな分析にたえられる物になるかと思います。ただしデータが手に入りにくいので難しいと思います。
※モデル発展への議論9:「販売者の商業的ブランド力」、「原材料の等級」、「加工技術の品質」をIndependent var.とするならば、「Transactionの行われた地域(Location /Country /Nation)」およびその「文化Var」、さらにTit for Tatゲームのような「Transaction の回数による交渉力バランスの変化」などはControl var.として、挿入しておく必要があるでしょう。
※モデル発展への議論10:生産地域(茶園の集合体)によって、ティーオークションや、農業協同組合が編成されている場合、生産者からの直接的流通ではないことを考慮する必要。しかし、それらの「市場的」介入は、独立した取引主体として、当該Transactionに参加していないとみなし、むしろ、当該Transactionにおける、外部環境として存在すると考えたいと思います。よって、「ティーオークション」「農業協同組合」の存在、強弱などは、Mediator var.というよりもむしろModerator var.としていれこんでいきたいと思います。
---------- Discussion (end) ----------



うーーむ、奥がふかいですよね。さらに細かい要素を盛り込んだ調査ツールを開発してプログラムを組んだら、価格が「ポンっ」とでるソフトウェアがつくれそうな気もします。ま、茶原料はそれほどの価格変化がないとしても、ブランドの競争力という相対的変数があまりにも動的なので、ちょっとそこまでは難しいと思いますが、さらに精緻にデータを分析していきたいですね。
 とりあえず、僕としてはようやく、アカデミックな分析とビジネスが融合してきたので、さらに「お茶」が楽しくなってきました!!
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