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中川コージの業界トレンド観察::世界の茶連鎖を解きなおせ

世界の茶連鎖を解きなおせ

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 さらにお茶の世界、奥へ奥へと入っていきます。

いままで、僕は中国の現代文化をあまり肯定してこなかったので、すこし言い訳をしなければならないでしょうかね。
すべての世界のお茶の歴史は中国から始まっていますから、現代でもその歴史や文化はさすがに奥がふかいです。紅茶という西洋的な香りのするところから、初心者入門をした僕ですが、だんだんとそのルーツをたどっていくと、今僕が住んでいる中国にたどりついたというのも、なにか縁を感じます(笑)。前にもここのブログか、他のブログでも書いたような気がしますが、僕はイギリスファッション、フランス料理などなどヨーロッパ的な香りをこよなく愛しています。その一方で、ビジネスなどは中国に深く関わっているものの、中国の現代文化は成熟を怠った、ゆえに僕が好きなモノはいまのところあまり「無い!」とまで断言していたと思います。 しかし、このお茶については、実は僕の愛するイギリス紅茶も(インドにも茶木が渡る前には、そのほとんどが)、中国茶がルーツなわけで、「好きにならざるを得ません」。

 ある程度ビジネスを考えながら、この数ヶ月のお茶関連産業の「調査」も兼ねているわけですが、中国という生産地と日本という販売市場を捉えた場合、みえてきた問題が2つに分けられました。1つは「茶葉の残留農薬・毒性検査」に関する問題、もう1つは、「売買市場(統一的価格規準)の未成熟」に関する問題です。




 前者については、日本では「ポジティブリスト制度」というものが導入され、毒性検査を受け、残留農薬等人体に有害な物質が適正な数値以下でない限り、日本国内で販売することはできないようになりました。そのため、ある程度、日本国内での規準はできてきています。そして、日本国内の消費者にこうした残留農薬の問題について啓蒙が浸透してきたため、個別の企業がさらに厳格な規準を設けることもマーケティング手法として有効になるほどです(CSRという社会善徳=企業利益のためのマーケティングとして)。脱法(制度のかいくぐり)行為、裏流通ルートをのぞけば、需要側、供給側がこの問題についての認識として成熟してきたために解決の方向に向かってきていると思います。

 しかし、後者については、毒性検査関連問題よりもはるかに解決は難しくなっていると思います。というのも毒性検査というものは、政府による公的な介入によって、ある程度のボトムラインを設定することができるわけですが、売買市場が不成熟なのは、民間の手にある程度委ねることが必要です。これは、市場というものが政府介入から離れている必要があるという、古典的な経済の概念ということもひとつの要因でありますし、国際取引ということで、世界的な市場の構築は一国だけの政府(例えば、日本国政府や中国政府)が枠組みをきめることができないからです。国際取引での市場取引の場合は、とくにクロスボーダーでありますから、民間であっても相当に歴史を経ないとその市場が構築されないものです。「お茶」などは、歴史が深そうですが、中国という世界トップ生産地がほんの数十年に市場開放されたわけで、実はわくぐみ(市場)のない混沌の世界という状況です。例えば、お茶について国際的な市場ができるとするならば、1、産地農家(生産者)そのもので市場が出来て価格規準があるか、2、産地のサプライヤー(卸業者)が組合的に内向きの市場を作り価格規準があるか、3、バイヤー側(購入者)が構築した市場があるか、などのいずれかになるでしょう。どの段階から市場が成立したかによって、バリューチェーンの利益率がきまりますが、いまのところは「なんとなく」世界のスタンダードは、東インド会社の流れから(ふるい!)「3」が強い、つまり、生産者農家よりもはるかに小売ブランドが強い、利益率が高いところにいるわけです。

 ところが、ところが、、、です、いまその1のほうから次第に中国でパワーが沸き起こっていま・・・・・という話は、脱線してしまいますから、別の機会にお話するとして、話を「売買市場の未成熟」の問題にもどします。上述の「3」という市場の成立はありましたが、それも実はまだ未成熟なものです(最近になってようやく公正な市場の一例としてフェアトレード=CSRという社会善徳=企業利益のためのマーケティング、という流れができてきました。)。具体的には、世界でもイギリスやフランスなど多くの「お茶小売ブランド」がありますね。例えばリプトンやトワイニングなど日本のスーパーでも購入できるブランドなどです。これらの小売ブランドが個別にお茶の価格設定をしています。「とても貴重な茶葉A」と「そこそこ貴重な茶葉B」があるとして、ブランド甲は、Aを100ドル、Bを50ドルで販売しているとします。そしてブランド乙はAを80ドル、Bを45ドルで販売しているとします。両者ともにA>Bになっていますが、その利益率が異なります。茶葉AもBもブランド力のある甲のほうが乙よりも高価格に設定することができます。そして、ブランド甲もブランド乙もともに茶葉Aのほうが茶葉Bよりも高いわけです。問題なのは次の点です。ブランド力を除した茶葉Aと茶葉Bの原価が、小売価格からは判断できないわけです。ブランド甲をみれば、AはBの2倍の価格ですが、ブランド乙では、AはBの2倍未満の価格です。もちろん、こうしたことは、お茶だけに限らず、どの商品・サービスにも当てはまるので、問題なさそうに思われるかもしれませんが、お茶の場合は、世界的にサプライヤーサイドの市場が未成熟なので、情報がまったくでてこないわけです。つまり「3」という市場も未成熟であって、バイヤー側の職人的な交渉や、かなりの見えざる特殊ルートから直接店舗におりてくるというわけです(バイヤーが入手した茶葉を別のバイヤーにほとんど融通しない)。バイヤー間で取引されるわけではないので市場になっていません。※この理由云々は、チャイナネットのブログのほうに、「お茶の歴史」として書いておきました。



解決しつつある「茶葉の残留農薬・毒性検査」に関する問題、そして未解決の「売買市場(統一的価格規準)の未成熟」問題が、ともに解決道筋がみえたときに「明るい市場」になって、国際的な公正なお茶取引がようやく開始されます(CSR=営利目的マーケティングとなる社会・企業成熟の段階)。世界のお茶はまだ東インド会社の時代・欧米列強の手の中にあるのです(笑)。勘の良い方は気づいていると思いますが、この「公正への道」の中に多くのビジネスチャンスが転がっていることも付記しておきましょう。




※次回のブログで、今回脱線しかかった「中国での市場が成熟してきていること」について書いていきます。


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